こんにちは!
定期巡回・随時対応サービスの業務支援システム「スマケア」です。
現在、訪問介護を取り巻く環境は、ホームヘルパーの深刻な不足や物価の高騰などにより、かつてないほど厳しいものとなっています。
2024年度の介護報酬改定以降、事業所の倒産急増もニュースとなっており、「これからどうやって事業所を維持していけばいいのだろう……」と不安を抱えている経営者や管理職の方も少なくないのではないでしょうか。
そんな中、国会では次々期(2027年度・令和9年度)の介護報酬改定に向けた、非常に重要な動きが始まっています。
2026年6月10日に開かれた参議院本会議にて、厚生労働省が、訪問介護の「事業形態」による経営状況の違いを、今まで以上に細かく調査する方針を明らかにしたのです。
この動きは、これからの訪問介護のあり方や、私たちが選ぶべき経営戦略にどのような影響を与えるのでしょうか。
今回は、国会での最新動向をわかりやすく解説しながら、将来を見据えた選択肢として今注目されている「定期巡回・随時対応サービス(以下、定期巡回サービス)」への移行の可能性について考えていきます。
(出典元:参議院本会議「社会福祉法等の一部を改正する法律案」質疑、2026年6月10日)
【目次】
1. 国が動いた!訪問介護の「集合住宅併設」と「地域提供」で経営実態を徹底調査へ2. 迫られるビジネスモデルの転換:限度額いっぱいまでの算定が難しくなる?3. なぜ今、定期巡回サービスへの切り替えが注目されるのか4. 定期巡回サービスへの円滑な移行を支える「業務効率化システム」の重要性5. おわりに
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1. 国が動いた!訪問介護の「集合住宅併設」と「地域提供」で経営実態を徹底調査へ
2026年6月10日の参議院本会議において、上野賢一郎厚生労働大臣は、次期報酬改定に向けて今年度に実施する「
介護事業経営実態調査」について言及しました。
その中で、訪問介護事業所の立地や規模だけでなく、「個別訪問型か、住宅型有料老人ホームなどの集合住宅に併設されているかといった事業形態」まで、
経営状況をきめ細かく把握する意向を表明したのです。
国がわざわざ「
集合住宅への併設」という点にスポットを当てた背景には、国会で交わされた鋭い指摘があります。
この日の審議で、田村まみ議員(国民民主党)は、「集合住宅に併設され、利用者が集団で居住している事業者は移動時間が短く利益率が高くなる一方、過疎地域や離島などで利用者が点在している事業者は利益率が著しく低くなる」という現実を指摘しました。
その上で、「これらを同じ訪問介護事業者として扱い続けるべきではない。区分を分ける方向で見直すべきだ」と国に迫ったのです。
これに対して上野厚労相が「実態を把握した上で適切な単価設定を検討する」と応じた形です。
もし今回の調査によって、地域提供と集合住宅併設型の間で
「収支差率(利益率のようなもの)」に大きな差があることがデータとして証明された場合、
将来的に「報酬の適正化」が実施される可能性が極めて高いと言えます。
具体的には、
移動コストがかかる地域提供の基本報酬を引き上げる一方で、効率が良いとされる集合住宅併設型の報酬を引き下げへと舵を切る、メリハリをつけた改定が現実味を帯びてきているのです。
2. 迫られるビジネスモデルの転換:限度額いっぱいまでの算定が難しくなる?
これまで、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)や有料老人ホームなどの集合住宅に訪問介護事業所を併設するモデルは、非常に効率の良い経営手法とされてきました。
同じ建物内を移動するだけでよいため、移動時間を大幅にカットでき、ケアマネジャーと連携して「区分支給限度基準額(限度額)」の上限いっぱいまで訪問介護サービスを計画・算定することで、安定した収益を上げることが可能だったからです。
しかし、国はこうした
「囲い込み」とも捉えられかねない過剰な算定を以前から問題視しており、今回の実態調査はその動きをさらに加速させる引き金になります。
もし次期改定で集合住宅向けの基本報酬が引き下げられれば、これまでと同じ回数の訪問介護を提供しても、事業所が得られる収益は大きく減少してしまいます。
つまり、「
集合住宅で訪問介護を提供し、限度額まで算定する」という従来のビジネスモデルそのものが、
今後は成り立たなくなるリスクがあるのです。
一歩先を見据える経営者であれば、現在のやり方に固執せず、国の方針に合致した新しい事業形態への転換を視野に入れるべきタイミングが来ていると言えます。
3. なぜ今、定期巡回サービスへの切り替えが注目されるのか
そこで、訪問介護からの有力な切り替え先として今、大きな注目を集めているのが「
定期巡回サービス」です。
定期巡回サービスへ移行する最大のメリットは、訪問介護のような「1回いくら」の出来高払いではなく、
「月額定額制(包括報酬)」であるという点にあります。
包括報酬である定期巡回サービスは、利用者の状態に合わせて柔軟に何度も訪問できる一方で、訪問介護のように「限度額ギリギリまで細かく算定を組み合わせる」といった不自然な上限設定をする必要がそもそもありません。
もちろん、定期巡回サービスであっても「地域提供」と「集合住宅内での提供」で収支差率に差が出るのは同様です。
しかし、国の制度改正の流れを考えると、報酬引き下げのメスが入るのは、間違いなく訪問介護が先になると考えられます。
なぜなら、訪問介護は利用回数に応じて費用が膨らむため国としても抑制(適正化)の動機が働きやすいのに対し、定期巡回サービスは最初から定額のため、
国にとっても介護給付費の予測が立ちやすく、制度として非常に安定しているからです。
さらに、国は
「在宅での限界値を高める切り札」として定期巡回サービスの普及を後押ししている立場にあります。
国の方針に逆らって訪問介護の引き下げに怯えるよりも、国の推奨する定期巡回サービスへシフトする方が、中長期的な経営の安定につながる可能性が極めて高いのです。
4. 定期巡回サービスへの円滑な移行を支える「業務効率化システム」の重要性
訪問介護から定期巡回サービスへの切り替えは、中長期的な経営を安定させるための強力な選択肢です。
しかし、「よし、明日から切り替えよう」と思っても、すぐに踏み切れない事業所様が多いのも事実です。
なぜなら、定期巡回サービスを運営するには、
●利用者様からの急な呼び出しに24時間体制で応じる「随時対応」の仕組み
●効率的な「定期巡回」のルート作成と、ヘルパー間のリアルタイムな情報共有
●オペレーターや訪問スタッフの複雑なシフト管理
といった、訪問介護とは全く異なる運用ハードルが存在するからです。
「これ以上スタッフの業務負担を増やせない」「紙の管理では限界がある」と頭を悩ませてしまうのも無理はありません。
この移行期のハードルを乗り越え、円滑に事業をスタートさせるために欠かせないのが、定期巡回サービスに特化した業務支援システムの導入です。
スケジュール管理から訪問記録、随時コールの受付記録までを「一気通貫」でデジタル化・自動化できれば、スタッフの精神的・肉体的な負担は劇的に軽減されます。
業務が効率化されれば、少ない人員でも質の高い24時間対応が可能になり、定期巡回サービスへの移行メリットを最大限に引き出すことができるのです。
5. おわりに
国会で示された訪問介護への徹底的な経営実態調査の動きは、これまでの「集合住宅×訪問介護」というビジネスモデルに対して、国が本格的にメスを入れ始めたサインとも言えます。
変化の激しい介護業界において、国の制度動向をいち早く察知し、先手を打って経営戦略をシフトしていくことは、事業所とスタッフ、そして何より利用者様を守るために極めて重要です。
迫りくる報酬改定の波に怯えるのではなく、国が普及を後押ししている定期巡回サービスへの切り替えを、今から検討してみてはいかがでしょうか。
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