【開催レポート】定期巡回の「リアル」と「未来の標準」を創る――スマケアユーザー会 特別企画

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【開催レポート】定期巡回の「リアル」と「未来の標準」を創る――スマケアユーザー会 特別企画

2026年2月25日、東京(AP西新宿)にて「スマケアユーザー会 特別企画」が開催されました。

今回のテーマは「定期巡回のリアルと未来の標準をつくる」。
全国から高い志を持つ介護事業経営者や現場リーダーが集まり、会場は熱気に包まれました。

冒頭、主催者を代表してホームネット株式会社の藤田潔社長が挨拶。
日頃のスマケア愛顧への感謝とともに「本日の学びが、明日からの経営・現場運営の一助となれば幸いです」と、厳しい経営環境下で挑戦を続けるユーザーの皆様へエールを送り、イベントの幕が開けました。





本レポートの関連資料はこちら!



 

第1部 基調講演:2040年に向けた地域包括ケアシステム第2ステージの姿

講師:田中 滋 氏(埼玉県立大学 理事長 / 慶応大学 名誉教授)



地域包括ケアシステムの生みの親である田中滋先生は、最新の統計データを用いて、私たちが直面している本質的な環境変化を指摘しました。

「健康長寿」がもたらすパラドックス 医療の進歩によりがんの死亡率は全年代で低下し、日本人は確実に健康になっています。
しかし、それは同時に「死ねなくなった」ことを意味します。
昨年の日本人女性の最多死亡年齢は94歳に達しており、20年後には100歳が当たり前になる可能性があります。
要介護者が増えているのは不健康になったからではなく、長寿化という成功の結果であるという、本質的な視点を示されました。

介護予防の「逆説」と定期巡回の使命 2040年に向けた最大の課題は、85歳以上の超高齢層が1,000万人規模になることです。
どれほど介護予防に努めても、加齢による衰えを完全に防ぐことはできません。
人生の終末期における「非健康な期間」を支えるためには、定期巡回のような「頻繁に顔を出し、24時間365日の安心を守る仕組み」と、適切な「住まい」の確保が不可欠です。

「格差」と「孤立」へのセーフティネット 経済的・社会的な格差が老後のQOLを左右する時代において、身寄りのない高齢者が孤立するリスクが高まっています。
定期巡回は、単なるケアの提供を超えて、地域における「孤立を防ぐセーフティネット」としての役割を担うべきであると強調されました。



第2部 実践報告:将来を見据えた経営設計〜訪問介護から定期巡回への経営転換〜

講師:井口 健一郎 氏(社会福祉法人小田原福祉会 理事)
スピーカー:露木 智浩 氏(同法人 定期巡回管理者)

 

神奈川県小田原市で先進的な取り組みを続ける「小田原福祉会(潤生園)」からは、通常の訪問介護を終了し、定期巡回へ一本化した大胆な経営転換の舞台裏が語られました。

「訪問介護の廃止」という重い決断
2024年4月に通常の訪問介護を終了。
転換にあたっては、現場スタッフの不安に対し、半年以上かけて丁寧に対話を重ね、合意形成を図りました。
移行が困難な利用者には地域の他事業所を丁寧に紹介するなど、地域全体のネットワークを考慮したフォローを徹底しました。

劇的な収益向上と効率化の実現
転換後、利用者総数は減少したものの、上半期の収入は前年比122%を記録(8月単月では134%)。
また、1回あたりの訪問時間は平均28分から21分台へと短縮されました。
これは、アセスメントに基づき「必要な時に必要な分だけ行く」という定期巡回本来の形を追求した結果です。

「サポーター制度」による人手不足の解消
無資格・未経験でも2時間から働ける「サポーター」を地域から70名採用
食事介助や清掃などの周辺業務を担ってもらうことで、専門職が本来のケアに集中できる環境を整え、スタッフのQOL向上も実現しました。





第3部 技術展望:AIを活用した介護現場での実践例

講師:山口 友也 氏(株式会社nexfare 代表取締役)



テクノロジーを「優秀な助手」として活用し、現場の生産性とケアの質を同時に高める手法が紹介されました。

生成AIによる「0から1」の効率化
山口氏は、事務作業に生成AIを取り入れることで、記録作成時間を大幅に削減できた事例を紹介しました。
AIに下書きを任せ、人間が最後にチェック(ファクトチェック)するという向き合い方が重要であると説きました。

「人らしいケア」への時間創出
ICT活用の真の目的は、事務作業の効率化によって生まれた時間を、利用者様と深く向き合う「温かなケア」に充てること。
テクノロジーが介護の現場に「ゆとり」と「尊厳」をもたらす未来図が示されました。





第4部 パネルディスカッション:定期巡回の今とこれからのスタンダード

ファシリテーター:津金澤 寛 氏((一社)全国定期巡回・随時対応型訪問介護看護協議会 理事長)

パネリスト:田中 滋 氏、井口 健一郎 氏、山口 友也 氏、小林 和徳 氏、渡邊 智仁 氏



定期巡回を多角的に分析する白熱した討論では、以下の重要な視点が共有されました。

専門職の役割変化と地域進出
病院のベッド数が抑制される中、看護師やリハビリ職などの専門職が「街」へ出て、地域生活のハブとなる定期巡回で活躍すべきであるとの提言がありました。

「作業」の切り出しと多職種連携
有資格者にしかできない「ケア」と、サポーター等でも対応可能な「作業」を明確に切り分けることが、持続可能な運営の鍵となります。

変化への適応力
「管理者の覚悟と熱量が、現場を、そして地域を変える」。
時代や地域のニーズ、そしてAI等の進化に合わせて柔軟に姿を変えていく「適応力」こそが、次世代のスタンダードになると締めくくられました。





第5部 スマケアからのご案内:AI活用による生産性向上

スピーカー:井上 氏(ホームネット株式会社 カスタマーサクセス課)



イベントの締めくくりとして、スマケアの最新機能である「スマケアAI」の活用による生産性向上の具体策が発表されました。

記録業務の劇的な効率化
介護現場で大きな負担となっている記録作成において、スマケアAIは入力された断片的な情報を基に、適切な文章を自動構成します。
これにより、スタッフが事務作業に費やす時間を大幅に短縮し、より多くの時間を直接的なケアに充てることが可能になります。

サマリー作成の自動化
膨大な記録の中から重要事項をAIが抽出し、月次の報告書サマリーを瞬時に作成するデモンストレーションも行われ、会場からは驚きの声が上がりました。


閉会:未来を、共に創るパートナーとして

最後はホームネット株式会社の山崎地域包括ケア推進事業部長より、感謝の言葉が述べられました。



「本日学んだことを一つでも持ち帰り、皆さんと共に新しい介護の形を広めていきたい。スマケアは単なるシステムベンダーではなく、定期巡回をベースにした新しい展開についても、皆さんの『覚悟』を支え、共に歩むパートナーであり続けます」と力強く語り、熱狂のうちにイベントは幕を閉じました。


交流のひととき:名刺交換会と懇親会



講演の合間の休憩時間には名刺交換会が行われ、参加者同士が積極的に挨拶を交わす姿が見られました。

また、すべてのプログラム終了後には、会場を移しての懇親会を開催。
講師陣も交え、地域や法人の垣根を超えて「定期巡回のリアルな悩み」や「未来への展望」を語り合う、非常に密度の濃い交流の場となりました。




本日のレポートに関連する、定期巡回サービスの全体像や立ち上げ・運営のポイントを網羅したホワイトペーパーをご用意しました。
これからの地域戦略や経営改善の参考に、ぜひご活用ください!

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