【2025年度最新】定期巡回の収支差率は全サービスNo.1!利益率低下のデータから読み解く経営対策

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【2025年度最新】定期巡回の収支差率は全サービスNo.1!利益率低下のデータから読み解く経営対策

厚生労働省より、最新の「介護事業経営実態調査結果」が公表されました。

日々の業務に追われ、膨大な資料を詳しく読み解く時間はなかなか取れないのが実情かと思います。
しかし、今回のデータには、私たち「定期巡回・随時対応型訪問介護看護(以下、定期巡回)」に関わる事業者にとって、非常に重要、かつ少し背筋が伸びるような事実が示されていました。

それは、定期巡回が「全介護サービスの中で最も利益率が高い」という明るいニュースであると同時に、「その利益率が下がり始めている」という警告でもあります。

今回は、最新データを紐解きながら、定期巡回事業の"今"と、これから経営者が意識すべきリスクについて分かりやすく解説していきます。


【目次】
1.【驚きの結果】定期巡回サービスが「収支差率」で全サービス中トップに!
2.数字が良いからこそ要注意?前年より数値が「減少」している現実
3.「利益が出る構造」を守るために今やるべきこと
まとめ:テクノロジーを味方につけ、持続可能な「No.1」へ



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1.【驚きの結果】定期巡回サービスが「収支差率」で全サービス中トップに!

まずは、介護事業の経営状況を見る上で欠かせない「収支差率(しゅうしさりつ)」を見ていきましょう。
これは簡単に言うと、事業の収入から支出を引いた「利益率」のようなものです。

最新のデータによると、私たち定期巡回サービスの収支差率は、他の主要な介護サービスと比較しても「一番良い」数値を記録しました。
具体的なイメージを持っていただくために、各サービスの数字を比較してみましょう。
なお、この数値は物価高騰対策などの補助金を含まない、事業本来の実力を示す「税引前収支差率」です。


▼主な介護サービスにおける収支差率(税引前・補助金除外)

サービス区分

サービスの種類

令和5年度決算

令和6年度決算

対前年度増減

地域密着型

定期巡回・随時対応型

14.6%

13.4%

▲1.2%

夜間対応型訪問介護 ※

15.2%

12.8%

▲2.4%

看護小規模多機能

5.0%

6.5%

+1.5%

小規模多機能

5.2%

6.0%

+0.8%

居宅サービス

訪問看護

11.9%

10.3%

▲1.6%

訪問介護

11.1%

9.6%

▲1.5%

通所介護(デイ)

6.5%

6.2%

▲0.3%

施設サービス

介護老人福祉施設(特養)

1.3%

1.4%

+0.1%

介護老人保健施設(老健)

▲0.6%

0.6%

+1.2%

全体

全サービス平均

4.7%

4.7%

+0.2%

※夜間対応型訪問介護はサンプル数が少なく、個々のデータの影響を大きく受ける可能性があります。

出典:厚生労働省「令和7年度介護事業経営実態調査結果」等を基に作成



いかがでしょうか。
昨年度(令和5年度決算)では夜間対応型訪問介護がトップでしたが、今年度(令和6年度決算)では大きく数値を落とし、結果として定期巡回(13.4%)が全サービスの中で収支差率トップとなりました。
特養や老健などの施設系サービスが0〜1%台の利益率であること、また全サービスの平均が4.7%であることを踏まえると、定期巡回の「13.4%」という数字がいかに高い水準にあるかが分かります。

24時間対応でオペレーションが大変そう…」というイメージを持たれがちな定期巡回ですが、経営的な視点で見ると、実は「最も効率よく利益を生み出せるポテンシャルを持ったサービス」であることが証明されています。


2.数字が良いからこそ要注意?前年より数値が「減少」している現実

「13.4%も利益が出ているなら、経営は安泰だ」
そう思われた方もいるかもしれません。しかし、ここで手放しで喜ぶのは危険です。

先ほどの表をもう一度よく見てください。
定期巡回を含む「訪問系サービス」に、ある共通した傾向が見て取れます。

●定期巡回: ▲1.2%(減少)
●訪問看護: ▲1.6%(減少)
●訪問介護: ▲1.5%(減少)

一方で、施設系や小規模多機能などは、わずかですが数値が改善(プラス)しています。
つまり、「訪問してサービスを提供する事業形態」だけが、軒並み利益率を落としているのです。

なぜ、最も優良なモデルである定期巡回でさえ、利益率が下がってきているのでしょうか?
そこには、訪問系サービス特有のコスト構造の悩みが影響しています。

①人件費の増加
人材不足により、採用コストや給与水準を上げざるを得ない状況です。
②物価高騰の直撃
訪問サービスにとって欠かせない「ガソリン代」や「車両維持費」の高騰が、施設系サービス以上に経営を圧迫しています。
③報酬単価の影響

制度改定に伴う報酬単価の減少も、収益構造にジワジワと影響を与えています。

今回のデータは「補助金を含まない」数値ですから、これが定期巡回事業の"素の実力"の変化を表しています。
「入ってくるお金」が減り、「出ていくお金」が増える。このトレンドは今後も続く可能性があります。

何も対策をしなければ、今の「全サービスNo.1」の座も、そう長くは守れないかもしれません。


3.「利益が出る構造」を守るために今やるべきこと

では、この「コスト増」の波に飲み込まれず、定期巡回ならではの高い利益率を維持し続けるにはどうすればよいのでしょうか?

報酬単価は国が決めるものであり、物価の上昇も一事業所の努力だけで止めることはできません。
コントロールできない外部要因に嘆くのではなく、私たちが着手すべきは「内部の業務効率化」です。
定期巡回サービスにおける「コスト」の多くは人件費が占めています。
しかし、人件費を削る(給与を下げる)ことは、人材不足の今、自殺行為に等しいでしょう。
だからこそ、「スタッフ1人あたりの生産性を最大化する」ことが唯一の勝機となります。

●移動ルートの無駄をなくす
●紙の記録や申し送りにかかる時間をゼロにする
●急なコール対応時の連絡調整をスムーズにする

これらを人力や紙のアナログ管理で行っていると、どうしても「見えないコスト(無駄な時間)」が積み上がり、利益を圧迫してしまいます。

ここで重要になるのが、「スマケア」のようなITシステムの活用です。
煩雑なスケジュール管理や記録業務をシステムに任せることで、スタッフはケアに集中でき、同じ人員体制でもより多くの利用者様に対応できるようになります。
「利益率が下がっている」というデータは、裏を返せば「効率化できている事業所と、そうでない事業所の差が開いていく」というシグナルでもあるのです。


まとめ:テクノロジーを味方につけ、持続可能な「No.1」へ

今回の厚生労働省のデータは、定期巡回サービスが「現在、最も収益性の高い有望なビジネスモデル」であることを証明しました。

しかし同時に、訪問系サービス全体に押し寄せるコスト増の波は、確実にその足元を脅かしています。
「今は利益が出ているから」と現状維持を続けていては、来年、再来年の調査結果を見る頃には手遅れになっているかもしれません。

定期巡回という素晴らしいサービスを、利用者様に長く、安定して提供し続けるためにも。
そして、事業所として健全な利益を確保し続けるためにも。

まだ余裕がある「」こそ、システムの導入や見直しを行い、筋肉質な経営体質を作っておくべきタイミングではないでしょうか。



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