
【令和8年度】最低賃金、全国の加重平均1,177円に!人件費高騰に悩む介護事業所が「定期巡回サービス」へ参入すべき理由
利用者の生活を支える中で、「介護保険制度が今後どうなっていくのか」という将来への不安を感じることもあるのではないでしょうか。
特に今、介護保険の根幹である「給付と負担のあり方」について、非常に重要な議論が水面下で進んでいます。
この議論は、単に利用者の負担が増えるという話に留まりません。
介護サービスの利用のされ方、現場の経営、そして私たちの働き方にまで、大きな影響を及ぼす可能性を秘めています。
この記事では、現在検討されている3つの最重要論点をピックアップし、それが皆さんの事業所や利用者にどんな「本当の影響」をもたらすのかを、わかりやすい言葉で解説します。
2040年という未来を見据え、制度改正の波に負けずに安定したサービスを提供し続けるためのヒントを、一緒に探っていきましょう。
介護保険サービスを利用する際、費用の一部を自己負担する仕組みは、ご存じの通りです。
現在、ほとんどの方は1割負担ですが、所得に応じて2割または3割負担となる方がいます。
この「利用者負担割合の判定基準」について、見直しの議論が進められています。
なぜ今、この制度の根幹に関わる部分が見直されようとしているのでしょうか。
1-1. 現行の「1割・2割・3割負担」の判定基準とは?
まず、現在の利用者負担の仕組みを確認しておきましょう。
●1割負担:ほとんどの利用者の方が該当します。
●2割負担:「一定以上の所得がある方」(被保険者の上位約20%相当)が対象です。単身世帯で年金収入などが280万円以上かつ合計所得金額が160万円以上の場合などです。
●3割負担:「特に所得の高い現役並みの所得がある方」(利用者に占める割合で約3.9%)が対象です。単身世帯で年金収入などが340万円以上かつ合計所得金額が220万円以上の場合などです。
この基準について、見直しの方向性として最も注目されているのが、「2割負担の対象を拡大する」という点です。
1-2. なぜ「2割負担の対象拡大」が検討されているのか?(全世代型社会保障の考え方)
この見直しの背景にあるのは、国が掲げる「全世代型社会保障の基本理念」という考え方です。
これは、「年齢に関わりなく、能力に応じて負担し、支え合う」ということを目指しています。
超高齢社会が進む中で、介護サービスの費用は増大し続けており、このままでは現役世代(特に子育て世代)の保険料負担が過度に重くなってしまうことが懸念されています。
そのため、「所得(収入)と資産(貯蓄)の両方から見て、比較的負担能力があると考えられる方」に、より公平に負担を求めるべきではないか、という議論がされています。
資料では、例えば2割負担の対象を所得上位約25%〜30%まで広げる案などが提示されています。
この変更が実現すれば、2割負担となる方の数は最大で約35万人増えるという試算もあり、介護サービスを利用する皆さんの利用者層に大きな変化が起こる可能性があります。
利用者の「家計の事情」が、サービス利用を左右する度合いが強まるかもしれないのです。
1-3. 利用者・事業所への影響を和らげる「2つの配慮措置」
利用者の負担が急激に増えることによる「利用控え」や「介護状態の重度化」のリスクは、現場で働く私たちにとって最も心配な点です。
このため、2割負担の対象を拡大する際には、以下のような「配慮措置」を組み合わせることが検討されています。
①負担増加の上限を設定する
新たに2割負担となる方の1ヶ月の負担増加額について、当分の間、最大で7,000円に抑えるという案です。
これにより、急激な負担増を抑制します。
②預貯金額を考慮する
収入が基準を満たしても、預貯金などの金融資産が一定額(例:単身で300万円〜700万円未満)を下回る場合は、申請によって1割負担に戻すという案が検討されています。
特に②は、「所得だけでは見えない真の負担能力」を考慮するという点で画期的ですが、預貯金の確認(自己申告や金融機関への照会)といった自治体側の新たな事務負担が増えるという課題も指摘されています。
この議論の結論は、2027年度の制度改正(第10期介護保険事業計画期間の開始)までに出される予定です。
2.ケアマネの仕事と経営に直結!給付のあり方の重要論点
次に、介護サービスの「要」であるケアマネジャー(介護支援専門員)の業務に関わる重要な議論です。
現在、居宅介護支援(ケアプラン作成など)の費用は、全額(10割)が介護保険から給付されており、利用者の自己負担はありません。
この仕組みは、制度創設時、利用者が新しいサービスであるケアマネジメントを積極的に利用できるように導入されました。
しかし、制度が定着した今、「他のサービスは自己負担があるのに、ケアマネジメントだけが10割給付で良いのか?」という議論が長年の懸案となっています。
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利用者負担「導入に積極的な意見」 |
利用者負担「導入に慎重な意見」 |
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介護制度全体の持続可能性の観点から必要。 |
利用者にとって負担増となり、サービスの利用控えや重度化につながる懸念。 |
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他のサービスや施設サービス利用者との公平性を確保すべき。 |
質が高く適切なケアマネジメントの利用機会が失われる懸念。 |
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利用者がケアプランへの関心を高めることで、質の向上につながる。 |
ケアマネジャーの公平性・中立性の確保が難しくなる。 |
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現行の所得段階(住民税非課税世帯) |
年金収入等(単身・目安) |
検討されている見直し案 |
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第2段階 |
80.9万円以下 |
変更なし |
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第3段階① |
80.9万円超~120万円以下 |
第3段階①ア、イに細分化 |
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第3段階② |
120万円超 |
第3段階②ア、イに細分化 |
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